ゴキブリなどの害虫が現れた時、あるいは天井裏をネズミが走り回っている気配がする時、とりあえず市販の殺虫剤や殺鼠剤を使ってその個体を退治すればOKと考える人は多いことでしょう。しかし、実はそれでは解決になっていません。なぜ害虫が発生したのか、あるいはどこから害獣が入り込んできたのか、という発生源を特定してしっかりとつぶす必要があるのです。発生源を特定して解決しないと安心することはできないでしょう。

駆除業者や駆除対象によって異なりますが、専門の駆除業者の場合、独自の薬剤を使い、進入路を封鎖し、糞尿などをしっかりと清掃し、消毒も行い、状況に応じた薬剤を散布して再発を防ぐ、というのがワンセットになります。それを年に数回など定期的に行うことによって、害虫や害獣の被害を防ぐことができるのです。

実際に、専門の駆除業者に依頼してくる人の大半は、今まで自分で駆除してきたものの再発、再再発を経験し、根本的な駆除を依頼する、というケースがほとんど。長年にわたる被害が、プロに任せたことで「全く出なくなった」と喜ばれるのだそうです。

害虫・害獣の駆除を専門にしている業者を検索すると、数多くのサイトがヒットします。そうなると、どこを選ぶべきなのか迷ってしまいますよね。そこで、HPに掲載されている情報から、優良業者を見分けるコツをご紹介しましょう。

①自社施工vs仲介

まず第一のポイントは、自社で駆除をしているかという点です。全国展開している大手駆除業者の多くは各地に加盟店があり、問い合わせや依頼があればその加盟店を紹介します。ただし、この場合は加盟店ごとに品質やサービスにばらつきがあり、HPで謳っているようなサービスが受けられない可能性があります。ですから、選ぶべきは自社できちんと責任をもって駆除している業者といえるでしょう。

②国家資格を保有した作業員がいるか

害虫や害獣を自分で駆除するのは、ケガや感染症などのリスクがあるので注意が必要です。また、特に害獣に関しては、鳥獣保護法によって捕獲が禁止されていることもあります。知らずに法律違反をしないように、国家資格を所持した駆除業者に依頼するのがオススメです。

③再発防止保証があるか

害虫による被害は、駆除してもまた発生することがあります。相手は生き物ですから、全力で駆除しても再発してしまう可能性はゼロではありません。そんな場合にたよりになるのが再発防止保証という制度です。これは駆除業者によって異なりますが、施工後一定期間内に再発したら、再び責任をもって駆除してくれるというもの。この制度のある業者は安心といえそうです。

④きちんと相談に乗ってくれるか

業者によっては、ちょっと調査を行っただけで「今すぐ駆除しないと被害が増える」と脅して施工を急がせるケースが少なくありません。しかし、それで本当に再発防止まで含めた見積もりが出せるのでしょうか。少なくとも依頼者の話をしっかりと聞き、くまなく点検して現状を把握したうえで、駆除の方法や再発防止策を考える必要があります。きちんと相談に乗ってくれない業者は要注意といえそうです。

⑤特定商取引法の記載が明確にされているか

特定商取引法とは、業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止して消費者の利益を守るもの。駆除業者も自宅に居座られて断れなくなったり、きちんと駆除されないといったトラブルの多いもの。この特定商取引法のルールを守り、クーリング・オフなどにも応じる業者は信頼できる可能性が高いといえます。

最近、国民生活センターなどに寄せられる害虫・害獣駆除に関する相談が増えています。その内容は「ネットで見た金額と実際に請求された金額が全く違う」「駆除の中断を求めても聞き入れられず、高額の駆除費用を請求された」「ハチに刺されて死ぬと言われ不安になり駆除依頼したが高額なので解約したい」など。いずれも「料金」に関するトラブルが多いのが特徴です。

とはいえ、駆除業者の全ては悪徳業者というわけではありません。悪徳業者か優良業者かを見極めるために、HPをしっかりとチェックしましょう。駆除にかかる項目やそれぞれの金額が明確に提示されているかどうか、クーリング・オフが使えるかどうか、などの点はHPにきちんと記載されているかどうかをチェック。また、他社と比べて極端に安い金額を提示している業者も要注意。「業界最安値」「500円〜」「1,000円〜」と記載がある場合は気をつけましょう。相談したら「今すぐ駆除しないと危ない」などと契約を急かせる業者も危険です。安物買いの銭失いという言葉があるように、価格の安さだけで業者決定をするのは危険といえそうです。